名の導き なのみちびき



眠り続ける少女を視界に入れ
何が起こっても直ぐに動ける様にベットの直ぐ脇でイスに座っていたものの
いつの間にか寝ていたのか
体を揺らされ眠たさが抜けきらない脳を動かし
目を無理やり開けると母親が立っており

「キラ、学校に行く時間よ。起きなさい」

そう、声がかけられるものの

「今日は休む」

眠さの抜けきらない言葉を言うと
再び目を閉じかけるが

「起きなさい。
 アスラン君が迎えに来てくれているのよ、待たせたら悪いでしょ」

ほら、早く支度しなさい!

呆れ声が次第に大きな声に変わり
眠気を取り去ると、少年は大慌てで部屋からでると
足音を立てながら家中を走りまわっていた。

「ごめんなさいね、アスラン君」

玄関口で待っていた少年に申し訳無さそうに
誤ると

「いえ、俺がもう少し早く来れば良かったのですが・・・」

返す言葉も謝りの言葉が返る

「もう少しで準備が出来ると思うんだけど・・・」

「キラ、あの子に付いてたんですか?」

「えぇ、アスラン君が帰ってからも付き添てたみたいで」

これじゃぁ、別れる時が大変ね・・・

小さく落される息に
苦笑でし返す事が出来ず
どう、言葉をかけていいのか考えていると

「ごめん!アスラン!!」

顔の前に手を合わし姿を現すと、母親の横をすり抜け
待っていた少年の元へと走り寄り

「行ってきます!」

声だけを残し、家から出て行った。

先程までの慌しさが残る玄関に
苦笑しながらも、息子とその友を見送ると
キッチンへと赴きお盆を手に持ち
先程入った部屋へと足を踏み入れると
目を覚まし、体を振るわせ、脅えの色を濃く出した瞳で
部屋に入ってきた人物を見ていた。

「おはよう。気分はどう?
 どこか痛い所とかあるかしら?」

自分を見て脅え震えている少女に
微笑みながら柔らかな声をかけると
驚いたのか体を大きく揺らしたが
進めている足を止める事無く少女に近づき
手に持っていたお盆を近くにある机の上に置くと
少女に向かって手を伸ばすが
脅えている少女は目をきつく閉じ、全身に力を入れ
自分に与え荒れるナニかに対して身構えるが
伸ばされた手は少女の頭を優しく撫ぜ

「大丈夫よ。
 お腹空いてるでしょう?」

撫ぜられている感覚に閉じていた目を開け
間の前に居る人物を見上げると
微笑み

「お粥を作ったの。
 もし良かったら食べて」

先程より柔らかさが増した声に
頷く事もせず、ただ見上げている少女に
粥が入った碗とレンゲを渡し
食べる様に促すと
碗と目の前に立ってる人物を交互に見
恐る恐る粥を口に運んだ。

ゆっくりと無くなっていく粥を見

「おかわりできそう?」

そんな言葉に
少女は頷いた。

最後まで食べた少女に
満足そうに微笑み

「食欲があるなら大丈夫ね。
 お昼を過ぎたらキラとアスアン君が帰ってくるから
 それまれゆっくり寝ているといいわ」

再び少女の頭を撫ぜ
横にさせると掛け布団を直し
少女が眠るのを待って
持ってきた盆を手に持ち部屋を後にした。

何度か少女の様子を見に部屋を訪れるが
少女の規則正しい寝息が聞と
寝顔を見ると部屋から出ようと少女に背を向けた時
慌しい足音と共に話声が聞えると
呼び鈴の音が聞え、帰りを告げる声が聞え
室内を走る音と呼ぶ声が家中に木霊すると
先程まで寝ていた少女が起きたのか
布と布が擦れ合う音と共に不安そうな
視線を背中に受けると

「私の息子が帰ってきたみたいだから、待っていてね」

安心させる様に微笑むと
呼んでいる人物の元へと足を進めるものの

「キラ、そんな大きな声で呼ばなくっても聞こえてるわよ・・・」

先程とは違う怒りの入った表情をしながら
言葉をかけると
すぐさま反応が返ってきた。

「そんな事はどうでもいいよ!
 あの子どうなの?目を覚ましたの?」

次から次に質問され、苦笑しながら

「キラが大きな声を出すから起きてしまったわよ・・・」

「じゃぁ、話が出来るんだね!」

「そう焦らないの。
 朝も目を覚ましたんだけど怖がっていてね・・・」

苦笑しながら詰め寄ってくるキラを見ていたものの
最後には頬に手をあて視線を下に向けると
詰め寄っていたキラは戸惑いを見せ、後ろにいたアスランに視線を向け
お互い不思議そうに顔を見合わせるが

「あの、怖がっているというのは・・・」

今まで黙っていたアスランの言葉に頷き

「えぇ、やっぱり何かあったんでしょうね・・・・」

重い雰囲気が広がりだすものの

「僕、あの子に会ってくるよ」

静かな言葉を残し、目の前に立っていた母親の横を
通り抜け、少女がいる部屋へと足を進め
扉の前まで来ると、後ろを歩いていたアスランの顔を見
お互い頷くと、ドアを開け中へと入っていった。

ベットに居るであろう少女に視線を向けると
キラ達が目に入ったとたん
体を大きく揺らし、震えだした。

「えっと・・・初めましてだよね。
 僕はキラ・ヤマトて言うんだ」

震えている少女の前に膝をつき
少女を見上げながら微笑し
出来る限り柔らかな声で言葉を作るが
目に涙を溜めだし今にも泣きそうな様子に
手を伸ばし抱きしめてみるものの
震えは一瞬大きくなるが
次第に無くなるが、嗚咽が聞え始め
少女が泣いているのか肩口から伝わると
背中に回していた手を離し、ゆっくり上下に動かし撫ぜ
落ち着くのを待ち
ゆっくり話し始める

「ココは僕の家なんでだけど・・・
 その、月にある移住区で・・・えっと・・・・」

君は誰?
なんて名前なのかなぁ?

聴きたい言葉があるのに
見えるキズと今だに恐れが消えない目を見ると
どうしても声が出なかった。

「あのさ・・・・」

「君の名前はなんて言うの?」

キラの言葉にかぶさる様に
後ろの方でじっと見守っていたアスランの声が聞えると
少女は三度体を振るわせるが
キラの肩に乗せて居た顔を上げ
アスランを見上げ、首をふる

「落ち着いて、ゆっくり話してくれればいいから」

少女の前に膝をつき視線を合わせ
ゆっくり一言一言、言葉を丁寧に声に出し
少女は声を出そうにもその音は言葉にはならかった。

問われた事に必死になって答えを言おうとするが
声にも言葉にもならない自分の声に
戸惑い、再びキラの肩に頭を乗せ泣き始めてると
キラの手がゆっくり背中を撫ぜる

泣き続ける少女にかける言葉が見つからず
沈黙が部屋を支配し始める中
呼び出し音がなり、3人共部屋を後にする為に
キラは立ち上がり少女の右手を握り先導する様に前を歩き
少女を挟む様に歩き出すとアスランの右手に
人肌を感じるがすぐさま離れて行く温かみを
力強く握ると、戸惑いながら見てくる少女に微笑み返すと
安心したのか先程の不安の色が薄くなった。

リビングに集まった
家族に、級友とその母を加え
目を覚ました少女の話になるものの
名前も歳も解らないまま話は進んでゆく

歳は見た目からキラ達と同じ歳か下ではないかと
いう方向で決まりだし、
少女の名前はキラとアスランが決める事になり
2人して悩みだし
PCを動かしたり、本を捲りだしで
机の上は、候補として上がった名前を書かれた紙で隠れてしまった。

「ねぇ、アスランこの名前はどうかなぁ?」

「だったらコレの方がいいんじゃないか?」

色々話し合った中
雰囲気に置いていかれ不思議そうに見ていた少女の前に
キラが嬉しそうに笑いながら膝つき、
その後ろでアスランがキラと少女を視界に入れ苦笑しながら
キラの言葉を待った。

「君の名前はだよ!」




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                 第2話

                     今だにプロローグで申し訳ありません・・・・
                     第1話では名前も出なかったので2話で名前を発表
                     キラとアスランが悩んだ末に付けて頂いたお名前です。
                     皆様はどんなお名前でしょうか?
                     ちなみに名前変換を使わないと『 アサヒ 』になります。
                     
                     にしても駄文で申し訳ないです。

                                                                        2003 8 9